「権威性」を武器に、ブランドの壁を越える方法
はじめに
「価格に見合う価値を、どう証明すればいいのか」。 多くのプレミアム製品が直面する、このブランディングの課題。その難問を「モンドセレクション受賞」という世界的な権威性をテコに解決し、見事な事業成長を遂げたクライアント様がいらっしゃいます。
今回は、高品質なプロテインで優秀品質金賞を受賞された健康食品メーカーの井元様(室長)をお招きし、弊社の岡座が、受賞をいかにして戦略的なブランディングに繋げたのか、その軌跡を伺います。
「良い商品ですが…」見えない壁に阻まれた日々

井元室長、本日はお越しいただき、誠にありがとうございます。まずは、金賞受賞、心よりお祝い申し上げます。

ありがとうございます。岡座さんの的確なサポートがなければ、この結果はなかったと思います。

とんでもないです。今でこそ、こうして成功をお祝いできますが、私たちが初めてお会いした時、商品のポジショニングについて、深い悩みを抱えていらっしゃいましたね。

はい。私たちが開発したプロテインは、身体への負担を最小限に抑え、真に健康的な身体作りを目指すという、強いこだわりを持っていました。しかし、その価値が市場に全く伝わっていなかったのです。中価格帯の商品として、安価なものと比較され、百貨店や高級スパといった、私たちが本当に届けたいお客様がいる販路からは、「この価格を正当化できる『権威性』がなければ扱えない」と、門前払いされる日々でした。
パートナーに求めたのは「ブランド戦略への理解」

そのような状況から、ブランディングの手段としてモンドセレクションに着目されたのですね。

はい。「私たちが『プレミアムです』と叫ぶのではなく、世界的な権威に『プレミアムです』と証明してもらうしかない」と考えました。ただ、そのためには、申請書類の作成一つとっても、私たちのブランド戦略を深く理解してくれるパートナーが必要でした。

最終的に、数ある中から弊社を選んでいただけた決め手は何だったのでしょうか。

問い合わせに対する対応の速さと、その内容の的確さです。初回のやり取りから、岡座さんが単なる申請の専門家ではなく、ブランディングという視点を持ってアドバイスをくださっていることが分かりました。この方なら、私たちの目標を共有できると確信しました。
言葉を磨き、価値を定義する。プロの「翻訳力」

ありがとうございます。打ち合わせの中で、井元様が製品の「身体への優しさ」という価値を、どう表現すればいいか悩まれていたのが印象的でした。

よく覚えていらっしゃいますね(笑)。自分たちにとっては当たり前のこだわりだったので、どう言語化すれば高級感が伝わるのか、全く分からなかったんです。

私たちは、その「当たり前のこだわり」こそが、国際的な評価基準における「強力な強み」だと考え、いくつかの表現をご提案させていただきました。例えば、「身体の自然なプロセスと調和するよう設計されたフォーミュレーション」といった形です。

あの時のご提案には、本当に目から鱗が落ちました。私たちの製品の価値を、私たちが一番分かっていなかったのかもしれない、と。申請プロセスを通じて、自社のブランドを再定義できたように思います。
受賞はスタート。ブランドを育てるということ

そして見事に金賞を受賞され、すぐに具体的なアクションに移されたのが素晴らしかったです。

はい。岡座さんのアドバイス通り、受賞はゴールではなく、ブランド戦略のスタートだと考えていましたから。すぐにウェブサイトを高級感のあるデザインに刷新し、受賞ロゴを大々的に掲載しました。また、美意識の高いインフルエンサーの方々に製品を提供し、「世界が認めた品質」としてご紹介いただくPR活動も展開しました。

その結果、顧客層にも変化があったと伺いました。

ええ、劇的に変わりました。高価格帯の商品の売上が伸び、客単価が明らかに上昇したのです。そして何より嬉しかったのが、以前は門前払いだった、あの高級スパチェーンから契約をいただけたことでした。モンドセレクションという「権威性」が、閉ざされていた扉を開けてくれたのです。

まさに、当初描いていた戦略が実現したわけですね。最後に、今後の展望についてお聞かせいただけますか。

私たちは、これからも毎年モンドセレクションに申請を続けます。一度きりの成功に満足するのではなく、常に世界基準で品質を問い続けること。それが、私たちの製品を選んでくださるお客様への誠実な約束であり、このブランドが守り続けるべき価値だと考えています。

素晴らしいお考えです。ブランドとは、お客様との信頼関係そのものですね。本日は、これからブランド構築を目指す方々にとって、非常に示唆に富むお話をありがとうございました。