なぜあの商品は売れるのか?モンドセレクション受賞を起爆剤にする5つの秘策

受賞はゴールではなく、ブランド飛躍の「スタートライン」

「モンドセレクションを受賞すれば、勝手に商品は売れるはずだ」 もし、あなたがそうお考えであれば、少し立ち止まっていただく必要があるかもしれません。

確かに、モンドセレクションの受賞ロゴは、品質の証として国際的に認知されており、消費者の信頼を獲得する上で非常に強力な武器となります。しかし、厳しい言い方をすれば、「受賞ロゴ(シール)をパッケージに貼るだけ」で爆発的に売上が伸びる時代は、徐々に変わりつつあります。

競合他社もまた、品質向上に努め、様々な賞や認証を取得しているからです。

では、受賞をきっかけに大きくブランド価値を高め、売上を伸ばしている企業と、そうでない企業の違いはどこにあるのでしょうか? それは、モンドセレクションという「権威」を、自社のマーケティング戦略の中にいかに独創的に組み込んでいるか、という点に尽きます。

本コラムでは、数多くの企業のブランディングを支援してきた専門家の視点から、モンドセレクション受賞を最大限に活用するための独自のマーケティング手法について解説します。申請手続きの煩雑さから解放され、本来注力すべき「攻めの戦略」に集中するためのヒントも併せてお伝えします。


なぜ「シールを貼るだけ」ではもったいないのか?消費者心理における「権威性」の役割

マーケティングにおいて、ロバート・チャルディーニ氏が提唱した「影響力の武器」の一つに「権威性」があります。人間は、専門家や公的な機関からのお墨付きがある情報に対して、無意識に信頼を寄せる傾向があります。

モンドセレクションは、まさにこの「第三者機関による客観的な評価」という権威性を付与するものです。しかし、単にシールを貼るだけでは、店頭で「あ、これ何かの賞をとってるんだな」と一瞬認識されるだけで終わってしまう可能性があります。

重要なのは、その権威性を「消費者が購入を迷っている瞬間の最後の一押し」として機能させることです。

  • 認知フェーズ: 商品を知ってもらう
  • 比較検討フェーズ: 競合商品と比べる
  • 決定フェーズ: 購入を決断する

モンドセレクションは、特に「比較検討」から「決定」のフェーズで強力な効果を発揮します。だからこそ、ただ見せるだけでなく、「なぜ受賞したのか」「どのような点が評価されたのか」というストーリーを付加することで、その効果は何倍にも膨れ上がるのです。


受賞を最大限に活かす!独自のマーケティング活用術5選

では、具体的にどのような活用方法があるのでしょうか。ここでは、実際に効果の高かった独自のマーケティング手法を5つご紹介します。

1. 「評価コメント」をフル活用したコンテンツマーケティング

多くの企業が見落としがちなのが、審査結果と共に送られてくる「審査員からの評価シート」の活用です。ここには、味、香り、パッケージ、成分など、専門家による詳細なフィードバックが記されています。

単に「金賞受賞」と謳うだけでなく、以下のように具体的な評価ポイントをWebサイトやPOPで公開してみてください。

「ミシュランスターシェフを含む審査員から、『口に含んだ瞬間の芳醇な香りと、後味のキレが絶妙なバランスである』と絶賛されました」

このように具体性を持たせることで、消費者は「なんとなく良い商品」ではなく、「プロが認めた具体的な美味しさがある商品」として認識します。これは、他社が真似できない独自のコンテンツとなります。

2. Webサイト・LP(ランディングページ)でのCVR(成約率)改善

Web広告やECサイトにおいて、モンドセレクションのロゴはCVRを向上させる強力なアイコンです。しかし、配置する場所が重要です。

  • ファーストビュー: 信頼性を瞬時に伝えるために配置。
  • CTA(購入ボタン)の直近: 購入を迷うユーザーの不安を払拭するために、「世界が認めた品質」という文言と共に配置。

ABテストの結果、ロゴの有無や配置場所によって、コンバージョン率が120%以上改善した事例も珍しくありません。

3. プレスリリースを活用した「話題作り」のフック

受賞のタイミングに合わせてプレスリリースを配信するのは定石ですが、ここでも一工夫が必要です。「受賞しました」という報告だけでなく、「開発秘話」や「地域のこだわり」と絡めるのです。

  • 「創業100年、地方の小さな工場が世界に挑んだ結果、モンドセレクション金賞を受賞!」
  • 「廃棄されるはずだった地域の特産品を活用したスイーツが、世界的な評価を獲得」

メディアは「賞」そのものよりも、その背景にある「ストーリー」を好みます。受賞をきっかけに、自社のブランドストーリーを世の中に発信する絶好のチャンスと捉えましょう。

4. SNSキャンペーンとUGC(ユーザー生成コンテンツ)の創出

「モンドセレクション受賞記念キャンペーン」と銘打ち、SNSでのプレゼント企画などを行うのも効果的です。しかし、単なるバラマキ施策にしてはいけません。

  • 「審査員が絶賛した『香り』をぜひ体験してください!」
  • 「受賞商品はどれでしょう?クイズ」

など、ユーザーが楽しみながら商品に関心を持てる仕掛けを作ります。実際に商品を試したユーザーからの口コミ(UGC)が発生しやすい状況を作ることで、受賞の事実が口コミで拡散されていきます。

5. 営業・商談時の「最強のドアノックツール」として

BtoBの取引や、小売店への導入提案(棚取り)において、モンドセレクション受賞の実績は非常に強力な武器になります。

特に新規取引の場合、相手のバイヤーは「この商品は本当に売れるのか?」「品質は確かか?」と疑っています。そこで、「国際的な評価基準をクリアしている」という事実は、バイヤーに安心感を与え、導入のハードルを大きく下げることができます。

名刺や会社案内、営業資料の表紙にロゴを入れるのはもちろん、「品質管理体制が世界基準であることの証明」としてアピールすることで、企業全体の信頼度アップにもつながります。


意外な効果?インナーブランディングと採用への影響

マーケティングというと対外的な活動ばかりに目が行きがちですが、実は「社内(インナー)」への効果も計り知れません。

自社製品が世界的な賞を受賞したという事実は、開発者や製造現場のスタッフにとって大きな自信と誇りになります。「自分たちが作っているものは世界に通用するんだ」という自己肯定感は、仕事へのモチベーションを高め、更なる品質向上への意欲を生み出します。

また、採用活動においても有利に働きます。求職者は「成長している企業」「世の中に認められている企業」で働きたいと考えるものです。「モンドセレクション受賞企業」という肩書きは、優秀な人材を引き寄せる一つの魅力的な要素となり得ます。


成功のカギは「戦略的な申請」と「リソースの集中」にあり

ここまで、受賞後の活用方法についてお話ししてきましたが、これらを実現するためには、当然ながら「まずは受賞すること」、そして「受賞ランク(金賞、最高金賞など)にこだわること」が必要です。

しかし、ここで多くの企業が直面するのが、申請手続きの煩雑さという壁です。

  • 専門的な英語・フランス語での書類作成
  • EUの食品規制に準拠した成分表の翻訳・確認
  • 海外へのサンプル輸送の手配
  • 審査員に商品の魅力を正しく伝えるためのアピール文の作成

これらを自社の社員だけで行おうとすると、膨大な時間と労力がかかります。慣れない作業に忙殺され、肝心の「受賞後のマーケティング戦略」を考える時間がなくなってしまっては本末転倒です。

プロに任せることで生まれる「余裕」と「確度」

賢い経営者やマーケティング担当者は、「申請業務」はプロに任せ、「活用戦略」に自社のリソースを集中させています。

実績豊富な申請代行サービスを利用することで、以下のようなメリットが得られます。

  1. 受賞確率の向上: 過去の膨大なデータに基づき、どのカテゴリで申請すべきか、どのようにアピールすれば評価されやすいかのアドバイスが受けられます。
  2. 事務作業の完全代行: 翻訳や書類作成、サンプル発送などの面倒な実務から解放されます。
  3. 評価フィードバックの翻訳・活用支援: 前述した「審査員からのコメント」も、日本語に翻訳された状態で受け取れるため、すぐにマーケティングに活用できます。

「代行費用がかかる」と思われるかもしれませんが、自社スタッフが数ヶ月かけて手探りで進める人件費や、書類不備による審査落ちのリスク(申請費用が無駄になるリスク)を考えれば、コストパフォーマンスは決して悪くありません。

むしろ、確度の高い受賞を目指し、その後の売上拡大で回収するという投資対効果の視点を持つことが重要です。


【まとめ】受賞は「通過点」。その先にあるブランドの未来を描こう

今回のコラムのポイントを振り返ります。

  • モンドセレクションは「シールを貼るだけ」では不十分。 認知から購買へのプロセスに戦略的に組み込む必要がある。
  • 独自の活用術: 審査員コメントの利用、Webでの権威付け、ストーリー性のあるPR、営業ツールとしての活用など、多角的に展開する。
  • インナー効果: 社員のモチベーション向上や採用ブランディングにも寄与する。
  • 選択と集中: 煩雑な申請実務はプロに任せ、自社は「どう売るか」というマーケティング戦略に全力を注ぐべき。

モンドセレクションは、あなたの会社の製品が持つポテンシャルを世界に示すためのパスポートです。しかし、そのパスポートを持ってどこへ行き、何をするかは、あなたの戦略次第です。

もし、「自社製品でも受賞できるだろうか?」「受賞を見据えたブランディング戦略について相談したい」とお考えであれば、ぜひ一度、専門家の知見に触れてみてください。

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